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子犬を購入する前にもう一度良く考えてみましょう

 テレビやCM等で、犬の感動物語を聞いたり可愛い子犬を見たりすると、犬ってあんなに賢いんだとか、犬に癒されたいとか思うかもしれません。
もちろん犬との生活は楽しいし、何気ない仕草に癒されることも多いでしょう。


でもちょっと待って下さい。
それらは飼い主が愛情を持って接しているからこそ得られる幸せです。
一方的に犬に求めてばかりではうまくいきません。恋人や夫婦のように、たくさん愛情を注いであげてください。


そこで、犬を飼うということはどういうことなのか、今の生活がどう変わるのか、どんなことが必要なのか等もう一度じっくり考えて本当に犬を飼える環境なのか見直して見てください。
犬を飼うということは家族が一人増えるのと同じことです。お金もかかりますし、手間暇かかります。
そのことをよく考えずに犬を飼い、安易に手放し殺処分という悲しい運命を辿る犬猫が非常に多いです。
(愛媛県動物愛護センターでは平成23年度の犬猫の殺処分数は犬1531頭、猫4100頭にもなります)

このページはそんな犬猫が一頭でも減ればという思いと、当犬舎から迎えた犬がそのような悲惨な運命を辿らないようにという思いから、犬を飼う前にもう一度その犬の一生を本当に幸せにしてあげる事が出来るのかじっくり考えるきっかけになればと思い作成しました。

 

以下のチェックポイントにすべて「はい」と答えられれば、あなたは犬を飼える環境であるといえます。
ですが1つでも「いいえ」があれば、あなたのもとで犬は十分な環境が整っていないと考え、改善を試みるか、今は犬を迎えるにはまだ早いと考え犬を飼うのは諦めましょう。
環境が整っていなければ犬にストレスを与え、犬はストレスから吠える、噛む、いたずらする、どこでもトイレする等の問題行動が増え、それらが飼い主のストレスとなり悲しい結果を辿る可能性が高まります。


チェックリスト

1. ご家族全員が犬を飼うことに賛成されていますか?

犬は社会性のとても高い動物です。
一人でも反対している人がいれば犬の育児にも非協力的であることが予測され、それは犬にとってすごくストレスのかかることになります。


2. ご家族に動物アレルギーの方はいませんか?
またアレルギーになっても飼い続けることができますか?

アレルギーの症状は人により様々ですが、犬を迎えることによりアレルギーが悪化したり、中には命にかかわるほど重篤な方もいらっしゃいます。
また突然アレルギーがでたり、産まれた子供がアレルギーになり飼育放棄するという話もよく聞きます。お子さんやご家族にアレルギーがでてもそれまでと変わらず犬に接し飼い続けることができますか?


3. お住まいは犬を飼養することが許可されていますか?

犬の飼養禁止のマンションなどで犬を飼うことは犬に十分ないい環境を提供できないことが予測されお互いストレスになります。
また内緒で飼って管理人に見つかり殺処分を余儀なくされる犬や、引越し先が犬の飼養が禁止のため放棄する方も多いのが現状です。



4. 室内フリーで飼うことができますか?

外で繋いで飼ったり、サークルやゲージに閉じ込めたり、ゲート等で移動を制限したり、一部屋を犬ルームとして閉じ込めたりすることは犬にとってものすごくストレスになり、問題行動の原因になります。
犬の行動を制限するということは、身体や脳を使う機会から遠ざけ、犬の性質や知能を伸ばす機会を奪ってしまいます。また犬と一緒に寝るのは犬を飼う上で一番の幸せな一時ではないでしょうか?
(もちろん犬によっては一頭で自分のベッドで寝たがる子もいます。その場合は犬の好きな所で寝させてあげましょう。)

 


5. 20年間、毎日どんな日でも1日2回30分から1時間半のリラックス散歩と、3回前後のトイレ散歩5分から15分の散歩に連れて行くことはできますか?(胴輪とロングリードを使用)

リラックス散歩の仕方は別にご説明するとして、お散歩は犬にとって最も重要です。
チワワ等の小型犬は散歩が要らないなどと間違った情報が流れていますが、小型犬も散歩は必ず必要です。
散歩を怠るとストレスから問題行動も増えます。
犬の寿命は10年から20年です。
その間どんな日でも一緒に毎日連れて行くことができるか本当によく考えてください。
(雨を嫌がる犬には無理に散歩をしないでください)
また犬との散歩も犬を飼う最大の醍醐味と言えるでしょう。
その為散歩が苦痛になる方は犬を飼うのは諦めたほうが良いでしょう。



6. 冠婚葬祭・引越し・出産・離婚などがあっても飼い続ける覚悟がありますか?

冠婚葬祭、出産、離婚などで飼い続けることが難しくなり放棄する方が非常に多いです。
犬の寿命は10年から20年です。
その間冠婚葬祭、出産、離婚などがあっても本当に飼い続けることができるのか良く考えましょう。
特に飼い主様に子供ができた場合、また既にお子さんがいる場合、子供の世話をしながらお散歩やスキンシップなどそれまでと変わらず飼うことができるのか良く考えてください。
また引越し先が犬の飼養禁止のため放棄する方も多いですが、犬の飼養が可能な物件を探せないのならばはじめから犬を飼うことを諦めましょう。犬には飼い主が全てなのです。



7. 食べ物は健康に影響を与えます。ペットフードには法律で定められた安全基準がないため、人間には使用できない危険な物も使用できます。合成添加物や着色料等を含まない物を選ぶなど食べるものにも気を付けることができますか?

犬を飼うにあたって節約するために安いフードで済ませる方が非常に多いようですが、食べ物から身体は作られているため病気に直結すると考えています。
また病気の治療は犬に多大なストレス等を与えるため病気にならないように予防することが大切ですし、治療費がかさみ結局フード代よりも高くつくなんてこともあります。
そのため一概には言えませんが質の良いフードを選ぶ基準として、1キロあたり1500円以上のものを選ぶと良いでしょう。そのフード代を安いからという理由で選ぶことなく、犬の生涯、愛情と健康を願って選んであげることができますか?(当店から犬を迎えた方にはいくつかのフードメーカーをお教えいたします。)
例:3キロの小型犬では月に1kg強、10キロの中型犬では4キロ強、45kgの大型犬では16キロ以上のフードを消費します。当店で販売しているフードは1キロで2,058円、4キロで6,384円、16キロ消費するとなると月に約25,000円のフード代がかかります。



8. 適切なブラッシングや毎日のスキンシップはできますか?

ブラッシングは犬の皮膚の健康や免疫力向上につながり、皮膚や被毛の健康を守る上でとても大切です。
また病気の早期発見のためにも定期的に犬の体をチェックする必要があります。
また犬とのスキンシップはコミュニケーションをとる上でも重要です。
(過剰に構い過ぎると逆にストレスになる、手入れを嫌がる場合は嫌がらない範囲で行い徐々に慣らしていくかトリミングに連れて行く)

 


9. 月に一回以上の美容代を支払える経済的余裕がありますか?

犬の皮膚や被毛の健康を維持するため定期的なシャンプーやカットなどのお手入れが必要になります。
またプロに全身くまなく見ていただくことにより飼い主では気づかないようなことにも気づいてくれる場合があります。
例:プードルのシャンプーカットで5,500円。シャンプーで4,000円。



10. 定期的な予防接種や健康診断などに行けますか?またその費用を支払える十分な経済的余裕がありますか?

犬は、毎年狂犬病予防注射や、混合ワクチン、フィラリアの予防、ノミ・ダニの予防など何かと費用がかかります。
病気の早期発見のためにも最低年に一回など定期的に健康診断を受けに行けますか?



11. 犬が病気や怪我をしたとき十分な治療を施し、またその治療費を支払える十分な経済的余裕がありますか?

犬も生き物です。思わぬ怪我をしたり病気になったりしますし、年を取れば人間同様色々な病気にかかりやすくなります。 その時に信頼出来る動物病院で十分な治療を受けさせることができますか?
またその治療費を支払える十分な安定した収入はありますか?
特に大型犬では小型犬よりも治療費も薬代も高くなります。



12. 信頼のおける動物病院はありますか?また急な異変があった場合直ぐに病院に連れて行けますか?

動物病院も人間の病院と同じで得手不得手があります。また同じものでも病院によって価格も様々です。
ワクチンなどは安い所でも構いませんが、難しい病気などは高くてもきちんと治療して頂ける病院を探す等の必要性があります。



13. 飼う犬種の特徴や性格、罹りやすい病気、予防法など飼う前に確認できますか?

犬種により吠えやすかったり、太りやすかったり、毛が抜けたり、かかりやすい病気があったりと様々です。
また同じ犬種、親兄弟姉妹でも性格も体格も違います。
知人の犬を見て大人しいからと同じ犬種を飼っても同じように育つわけではありません。
飼ってから思っていたのと違うということがないように飼う前にしっかり勉強しましょう。
また思っていたのと違っていた場合でも飼い続ける覚悟がありますか?



14. 人間と同じで病気になったり介護が必要になる日が来ます。最後まで介護、看病ができますか?

歳をとったから、病気が治らないから。そんな理由で殺処分される犬も多いのが現状です。
介護はとても大変です。
ほったらかしにしたり、飼育放棄したり、殺処分したりすることなくきちんと最後まで介護、看病ができますか?



15. 犬の寿命は10年から20年です。最後まで責任をもって飼養できますか?またあなたの年齢、健康状態は犬を看取るのに十分ですか?

20年もあれば冠婚葬祭・引越し・入院等色々あるでしょう。
 ・それでも変わらず飼えますか?
 ・愛犬が年をてっても最後まで飼えますか?
 ・病気や怪我が治らなくても病気と向き合ってきちんと飼えますか?
 ・咬む、吠えるなどの問題行動が出ても放置したり、
  飼育放棄したりすることなくプロに頼むなど適切な対応はできますか?
 ・またあなたが高齢になったり、病気になったとき世話ができない、散歩に行く体力がない等がないように
  将来のことも考えて犬を迎えられますか?
これらは実際に飼育放棄した飼い主の放棄理由でとても多いです。本当に飼えるのかよく考えましょう。



16. ストレスがかからないよう気をつけてあげられますか?

犬は私達が思っているよりたくさんのストレスを受けています。
(ストレスについては、ブログ:ドッグウォーカー博士のスローライフストレスと寿命の記事が参考になります )
病気等にならないように気をつけてあげられますか?
またストレスを軽減すると問題行動が減ったり、病気が良くなったりします。
なにより安定した犬になるので、ストレスがかからないように気をつけてあげましょう。



17. 犬の散歩は一人につき一頭ずつが基本です。散歩に連れていける時間的余裕はありますか?

多頭飼いの方で、一度に2頭も3頭も散歩されている方がいらっしゃいますが、犬もそれぞれ行きたいところも違いますし、歩く速度も違います。
他の犬に合わせることは犬にとってストレスになり、これでは散歩の意味がありませんし、万が一のとき対処出来ません。またどんなに広くても庭に出しっぱなしでは犬は満足しません。
散歩は犬と飼い主が一対一で向き合える唯一の時間でもあります。
もちろん、 飼い主のウォーキングやジョギングと犬の散歩の時間は別にとってください。臭いを嗅ぐこともできず飼い主のペースで歩かされることは犬にとって非常にストレスです。
私達もショッピングに行って気になる商品があっても、見ることも許されずツレの見たいものばっかりに付きあわせられたら楽しいショッピングもストレスになりますよね?



18. 気候が暑くなってきたら、早朝や夕方以降の涼しい時間に散歩することができますか?

犬は寒さよりも暑さに弱い動物です。真夏のアスファルトは肉球が火傷するほど熱くなります。
また熱中症になり死亡する例もあります。
そのため早朝や夜間の涼しい時間帯に散歩する必要がありますが、自分の時間を調節できますか?
そして、日中などは部屋の温度がかなり高温になるため、一日中クーラーを付けていないと熱中症で死亡する可能性もあります。その電気代を気にせずに部屋の温度を適温に保てますか?
更に要注意なのが春先の密閉された車内などです。これは自分でクーラーをつけたりできない小さなお子様にも言えることですが、実は夏よりも熱中症になる人が多いのです。



19. ご飯は毎日適量を与え、飲み水はこまめに取り替えていつもキレイな水にしておけますか?

犬種の標準体重などにこだわらず、その子その子にあった量のご飯をあたえ、痩せすぎていたり肥満になったりしないように食事管理できますか?
稀に、ティーカッププードルだからこの体重なんです!と言って、ガリガリな子をみます。同じ犬種でもサイズは個性です。痩せすぎず、太りすぎずの適正体重をキープしてあげて下さい。
 ※人間の味が付いているものは犬の身体には悪いので与えないようにしましょう。
 ※人間の食べ物には食べると中毒を起こすものもあるためそれらに注意をしてください。
また、犬は綺麗なお水を好みます。少し汚れると飲まないこもいます・・・。
いつでも綺麗なお水を好きなだけ飲めるようにしてあげて下さい。



20. 排泄物の処理、散歩の時おしっこしたら水をかけ、うんちは拾って持って帰れますか?

犬は生きています。当然食べれば排泄もします。きちんと排泄物の片付けができますか?
またおしっこのあとはシミになりとても臭います。うんちは他の動物に感染る病気を持っていることもあります。
他の方に迷惑をかけないように適切な場所で排泄させ、排泄物の処理をしてください。



21. もし万が一、自分が病気などになり、世話ができなくなる可能性まで考えていますか?また世話ができなくなった時や、ご自分が亡くなった後すぐに犬の世話をしてくれる方はいますか?

病気になった時や、自分が亡くなった時のことを飼う前から考えても仕方ないと思うかもしれませんが、病気、怪我、入院などで世話ができず飼育放棄されたり、あなたが亡くなった後、残された家族が犬の世 話ができず飼育放棄されるという話もよく聞きます。
犬には飼い主しかいません。もう一度よく考えてみましょう。



22. 素人繁殖はしない、家族に迎えたらオス・メスともに、生後6ヶ月以内に不妊・去勢手術を行えますか?

手術費は性別や病院などにより異なりますが、2万~4万位です。その費用を支払えますか?
避妊去勢には賛否両論ありますが、当店では犬のストレス・将来的な病気の予防・年間何十万頭も殺処分されている背景からも早期避妊去勢手術をおすすめしています。



23.犬が吠えたり噛んだり等の問題行動が出た場合、適切に対応し自分で対処しきれない場合プロに頼むなどの改善ができますか?

室内のどこでもトイレするから、噛むから、吠えるから等飼い主にとって都合の悪い行動(問題行動)が出た場合、外に繋いで飼ったり、サークル等に閉じ込めたりするのではなく、なぜそうなったのか考え適切に対処出来ますか?
また自分では改善できない場合はプロにお願いし、一緒に改善に取り組めますか?



24. 犬を養えるだけの経済力・時間・心のゆとり・体力はありますか?

犬を飼うにはお金がかかります。犬のために時間を割かなければいけません。散歩等にもある程度体力が必要です。
それらが苦にならず、犬がどんなことをしても許せる心のゆとりはありますか?
飼い主がいつもイライラしてたりすると犬にも悪影響があります。



25. 今飼っている犬、今後飼う犬の飼育頭数を2頭以内に抑えて頂けること。

多頭飼いも珍しくなくなって来ましたが、多頭飼いは大変です。
当チェックポイントを満たしているならば一般家庭で飼える頭数は2頭が限界だと思います。
よって、 すでに2頭以上飼われている方にはいかなる場合もお譲りできません。
猫がいる場合は現在飼っている犬猫と、将来増やす犬猫と当店から迎える犬猫をあわせて3頭以内に抑えてください。



26. 犬だけで留守番をさせる時間が6時間以内であること。子犬の場合4~5時間以上留守にしないこと

6時間以上の犬だけの留守番はストレスになるため、6時間以内に抑えられる方。
また子犬はトイレのしつけのため、4~5時間以上留守にしない方。
トイレの成功の近道は失敗させないことです。犬の性質上外で排泄させるようにすると良いでしょう。



27. どんな理由でもチョークチェーン、ハーフチェーン、伸縮リード、電気ショック首輪等を使用しないこと

チョークチェーン、ハーフチェーンはプロの道具です。
一般の方には扱いが難しく、ヘタをすると首を痛めてしまうことがあります。
また犬に不快感を与えてしまうので使用しないでください。
伸縮リードは使ってみると分かるのですが、犬が結構な力で引っ張らないと伸びません。
つまり犬に引っ張ることを教えていることになるので伸縮リードではなくロングリードをおすすめします。



28.犬を迷子にさせないように管理できますか?また万が一に備え迷子札・鑑札・注射済票・マイクロチップ等を常につけておけますか?

花火や雷の音にびっくりして逃げたり、散歩中リードが外れたりすることもあります。
パニックになっているときは帰り道もわからなくなっています。
また保健所や愛護センターに入ると数日で殺処分されます。
愛媛県動物愛護センターでもほぼ毎日のように迷子犬の情報が入っているくらい迷子の子は多いのです。



29.災害時は一緒に連れて避難できますか?

行政にすぐ帰れるからと言われて連れて行かず、結局帰れなくなりそのまま死んでしまうということがありました。
動物を守れるのは飼い主さんしかいません。必ず一緒に避難してください。



30. 犬に強制しないこと

強制訓練や軍隊のような完璧を求めるしつけ、犬の嫌がることをしないで下さい。
私たちだって、人から嫌なことをされて「やめてくれ」と言ってもやめない人なんて、嫌ですよね?
ワンちゃんの立場にたって、気持ちを汲んであげてください。

 


チェックリストは以上ですが、皆様はどのように感じたでしょうか。厳しいと思った方が大半だと思います。
私自身も、厳しいとはわかっています。
しかし、ワンちゃんの犬生をより充実した日々にするためには、どれも必要なことだとも思うのです。
ワンちゃんを本気で幸せにしてあげるからこそ、得られる喜びもまた大きなものになるのだと思うのです。
ワンちゃんを尊重し、良いパートナーとして一緒に暮らして頂けるような素敵な飼い主様に出会えることを
心より願っております。


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